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妊娠中に歯の治療はできる?

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妊娠中は生活習慣の変化や、ホルモンの変化、つわりで歯磨きが苦手になってしまったりと
お口の中の環境が変化して虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
口腔内のクリーニングはできれば積極的に行っておくべきです。

虫歯の治療はできることであれば妊娠前に治療を済ませておくのが理想ですが、
なかなかそう計画的にもいきませんよね。

歯周病は早産の原因になる場合も?

歯周病とは歯肉に炎症がある状態をいいます。
歯周病の細菌が増加し歯周炎がひどい状態になると早産の危険性が7倍に跳ね上がると言われています。
歯周病や炎症の微生物が血液の中に入り胎盤へ移行し、羊水の中に入り込んで子宮の収縮や子宮頸部の拡張が誘発され、早産となってしまうということです。

妊婦さんの虫歯の治療について

妊娠中に歯科治療を受けられない時期はありません。
ただ、妊娠初期はつわりの症状が強い場合はさらに口を開けたり、歯科の匂いに敏感になって気分が悪く、口をあけて処置するのが難しくなる場合もあります。

また、妊娠初期に治療に痛みが伴ってしまうと胎児もまだ小さく、妊婦さんへの刺激により流産などの危険性がないともいえません。
できることであれば、虫歯の治療は安定期の20週から30週頃の妊娠中期にかけて歯の治療を行うのが適切です。

妊娠後期は仰向けに寝ると腹部が圧迫されてきつくなる妊婦さんもいるので、できれば中期に済ませておきましょう。

歯医者さんのレントゲン撮影は大丈夫?

歯科でのレントゲン撮影は保護エプロンを使用するので、腹部への放射線被曝量は限りなくゼロに近い状態となります。
出産直前になると、骨盤と胎児の状態をみるために妊婦さんの骨盤を直接レントゲンで撮影する産院もあります。

虫歯治療の麻酔はしても大丈夫?

歯科で使用される局所麻酔薬のキシロカインは無痛分娩にも利用される麻酔薬です。
口腔部分への処置への使用は安全に使用出来ます。
麻酔を使わずに治療となると、その痛みが逆に子宮を刺激してしまうので、適切に使用をするべきです。

治療後の薬は飲んでも大丈夫?

鎮痛薬は妊娠時に服用してはならないものが多く、注意が必要です。
妊娠中の妊婦・または妊娠の疑いがある女性にもよく処方されるのがアセトアミノフェン・カロナールというお薬です。
カロナールは胎児奇形等の恐れが無く、体外への排出時間が短くなっています。
しかし、鎮痛剤としての効き目はゆるやかなので強い痛みにはあまり効き目が無い場合もあります。

産後の授乳中に歯の治療は可能?

「妊娠中の歯の治療は安全」とはいわれても、やはりお腹の中に赤ちゃんがいる間は控えたい、という妊婦さんもいらっしゃるはずです。
歯の治療に痛みが伴った場合でも胎児への影響が無いという点では、産後の治療の方が安全といえますので、緊急を要しない治療の場合は産後の治療を選択したほうがよいといえるでしょう。

局所麻酔のお薬は使用量も少なく母乳への移行は無いといわれています。
ただ、治療後のお薬・鎮痛剤は強い物であれば母乳への影響が強い物もあります。
また薬を飲む場合はできるだけ母乳への移行を少なくする為に、授乳直後に服薬し、次の授乳までの3時間ほどはできる限り時間を開けることで母乳中への薬の移行量を最小にすることができます。
ミルク混合の育児であれば、その際ミルクへの変更で対応できますが、完全母乳である場合、その時だけミルクに変えても赤ちゃんが受け付けてくれません。
搾乳は普段慣れていないお母さんはすごく大変ですが、もしできるのであれば1回分の母乳を搾乳でとっておくのも手です。

また、産後すぐの生活は授乳が約2~3時間おきですので、歯科に行く時間を取るのも難しくなります。自分にとって一番ベストな時期は妊娠中か?産後か?を選択する必要があります。